PMP スケジュールを書いた後に、無事PMP合格したので、しばらく投稿から時間が経っていました。書き始めたので、復習をかねて最後までまとめようと思います(笑)
余談ですが、合格後は 60PDU 取得が資格継続のため必要です。ブログ記事執筆は Give Back のカテゴリで 3PDU は取得できるので書くことに意味はあります。(参照:実録・60PDUの集め方:PMP®資格維持の戦術)
今回は Audit に選出されてので、その手続きにも時間がかかりましたが、無事に 2か月で合格できました。これも研修会社さんがとてもよかったことが要因であることは間違いないです。ありがとうございます!
それでは、今回はプロジェクトコストマネジメントについてまとめていきます。
what you learn
プロジェクトコストマネジメントは、承認済みの予算内でプロジェクトを完了するための計画・見積り・予算化・財源確保・マネジメントおよびコントロールのプロセスからなると PMBOKガイドでは定義されています。
プロジェクトコストマネジメントの以下4つプロセスを確認していきます。
※ () 内はプロセス群の名前を記載。
コストマネジメントの計画は計画のプロセス群で、コストを見積、予算化、マネジメント、監視・コントロールします。このプロセスのアプトプットで、プロジェクトを通したコストマネジメントのガイダンスおよび方向性を提供することができます。
インプット・ツールと技法・アウトプットは以下の通りです。
インプット | ■ プロジェクトマネジメント計画書 — スケジュールマネジメント計画書 — リスクマネジメント計画書 ■ EEF(組織の文化と構造、市場、為替レート、公開されている加入者価格リスト、PMIS、生産性の違い、など) ■ OPA(財務管理の手続き、教訓リポジトリ、財務DBなど) |
---|---|
ツールと技法 | ■ 専門家の判断 ■ データ分析 ・代替案分析 ■ 会議 |
アウトプット | ■ コストマネジメント計画書 |
コストマネジメント計画書:コストマネジメントの以下の項目を確立できる。
コストの見積もりは計画のプロセス群で、作業を完了するために必要な金額を概算するプロセスです。
見積りの精度は、プロジェクトライフサイクルを通してプロジェクトが進展するにつれて向上します。立ち上げのライフサイクルでは、-25% ~ +75% の範囲での概算見積りであり、プロジェクト後半になると情報が多く集まるため -5% ~ +10% の確定見積りに向上していきます。
インプット・ツールと技法・アウトプットは以下の通りです。
インプット | ■ プロジェクトマネジメント計画書 ・コストマネジメント計画書 ・品質マネジメント計画書 ・スコープベースライン ■ プロジェクト文書 ・教訓登録簿 ・プロジェクトスケジュール ・資源要求事項 ・リスク登録簿 ■ EEF(市場の状況、為替レート、公開されている加入者価格リストなど) ■ OPA(コスト見積の方針とテンプレート、教訓リポジトリなど) |
---|---|
ツールと技法 | ■ 専門家の判断 ■ 類推見積り ■ パラメトリック見積り ■ ボトムアップ見積り ■ 三点見積り ■ ボトムアップ見積り ■ PMIS ■ データ分析 ・代替案分析 ・予備設定分析 ・品質コスト ■ 意思決定(投票) |
アウトプット | ■ コスト見積り ■ 見積りの根拠 ■ プロジェクト文書更新版 ・前提条件ログ ・教訓登録簿 ・リスク登録簿 |
プロジェクトスケジュール
スケジュールを先に定義することで、時期によるコスト差異(例:年末は従業員が休暇に入るため人件費が高くなる)やクラッシングによるコスト増加を見積り反映することができます。
予算の設定は計画のプロセス群で、見積りをもとにコストベースラインを作成して認可を得るために、個々のアクティビティやワークパッケージのコスト見積を集約します。
インプット・ツールと技法・アウトプットは以下の通りです。
インプット | ■ プロジェクトマネジメント計画書 ・コストマネジメント計画書 ・資源マネジメント計画書 ・スコープベースライン ■ プロジェクト文書 ・見積りの根拠 ・コスト見積り ・プロジェクトスケジュール ・リスク登録簿 ■ 合意書 ■ EEF ■ OPA |
---|---|
ツールと技法 | ■ 専門家の判断 ■ コスト集約 ■ データ分析 ・予備設定分析 ■ 過去の情報のレビュー ■ 資金値限度額による調節 ■ 資金調達 |
アウトプット | ■ コストベースライン ■ プロジェクト資金要求事項 ■ プロジェクト文書更新版 ・コスト見積り ・プロジェクトスケジュール ・リスク登録簿 |
予備設定分析
マネジメント予備を確保するための分析手法です。
コストベースライン
時間軸ベースのプロジェクト予算の承認版。マネジメント予備は含んでいないが、使用すると更新されます。コスト見積りはアクティビティに直結しているのでSカーブで表現されます。
また、アーンドバリューマネジメントを使用する場合は、PBM(パフォーマンス測定ベースライン)となります。
プロジェクト資金要求事項
総資金の必要量と期間ごとの資金の必要量を記載しています。資金調達は段階的に行われることが多いので、下図のように階段状で示されます。
コストのコントロールは監視・コントロールのプロセス群で、プロジェクト状況を監視して、コストベースラインの変更をマネジメントするプロセスです。
インプット・ツールと技法・アウトプットは以下の通りです。
インプット | ■ プロジェクトマネジメント計画書 ・コストマネジメント計画書 ・コストベースライン ・パフォーマンス測定ベースライン ■ プロジェクト文書 ・教訓登録簿 ■ プロジェクト資金要求事項 ■ 作業パフォーマンスデータ ■ OPA |
---|---|
ツールと技法 | ■ 専門家の判断 ■ コスト集約 ■ データ分析 ・アーンドバリュー分析 ・差異分析 ・傾向分析 ・予備設定分析 ■ 残作業効率指数 ■ PMIS |
アウトプット | ■作業パフォーマンス情報 ■ コスト予測 ■ 変更要求 ■ プロジェクトマネジメント計画書更新版 ・コストマネジメント計画書 ・コストベースライン ・パフォーマンス測定ベースライン ■ プロジェクト文書更新版 ・前提条件ログ ・見積の根拠 ・コスト見積り ・教訓登録簿 ・リスク登録簿 |
アーンドバリュー分析(EVA)
パフォーマンス測定ベースライン(PMB)を実際のスケジュールおよびコストのパフォーマンスと比較して、
現状の分析(スケジュールは進んでいる・遅延している、コスト内・コスト超過であるか)
将来の予測(最終的なコストはいくらになるか、スケジュールはあと何か月必要になるか)を把握できます。
スケジュール実績とコスト実績を同一の測定尺度で評価する手法をアーンドバリューマネジメント(EVM)という。EVM での重要な特性値は以下の通りです。
差異分析
EVMでは、コストおよびスケジュールの差異や完成時差異について、原因・影響・是正処置の説明となります。
例えば、BAC つまりプロジェクト予算が 100万、期間が20日だとして、10日目の PV = 50万 となります。作業進捗を見ると 60% 完了なので EV = 60万、コストは 40万 使用済みのため AC = 40万とすると、下図のように表現できます。
この場合、スケジュール差異(SV)は EV – PV で、SV = 60 – 50 = 10万円となるため、10万円分計画より進んでいることがわかります。
また、コスト差異(CV)は EV – AC で、CV = 60 – 40 = 20万円 となるため、完了した作業に比べ、実際に 20万分コストを少なく使っていることがわかります。
同じようにスケジュール効率指数(SPI)とコスト効率指数(CPI)を計算すると、
SPI = 60 / 50 = 1.2
CPI = 60 / 40 = 1.5
なので、スケジュールおよびコスト効率が現時点でよいことがわかります。
傾向分析
EVM では、現在までのパフォーマンスを理解するために、完成時総コスト見積りと完成時総予算(BAC)で将来のパフォーマンス目標や完了日を比較する。
上図に EAC と ETC を追加すると下図にようになります。
コスト差異(CPI)を反映させるとして、ETC と EAC を計算します。
ETC = (BAC – EV) / CPI = (100 – 60) / 1.5 = 26.67
EAC = AC + ETC = 40 + 26.67 = 66.67
もしくは
EAC = BAC / CPI = 100 / 1.5 = 66.67
当初の予算より 33.3 万ほど少ない金額で残作業を終了できるとわかりました。
プロジェクトコストマネジメントのプロセスの後は、品質マネジメントについてまとめます。
今回はここまで!